土地家屋調査士法人「共生」が2019年1月、ライズアクロスに事業譲渡を正式に完了した。
初めての事業譲渡ということで、その裏側では様々な思いや葛藤があったという。そこで当時のお気持ちについて、共生グループ代表の加藤先生と高橋先生にお話をおうかがいした。
激動の時代を
どう乗り越えるか
土屋 :
今回、共生ライズアクロスの事業承継の仲介を、弊社LEGAL JOB BOARD(以下 LJB)が仲介としてお手伝いさせて頂いたわけですが、今回は経緯や今後の展望を聞いていこうと思います。まず加藤先生にお伺いしたいのですが、今回事業承継しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
加藤 :
最初は僕の後を継いでくれる経営意識の高い人いないかなと思ってLJBに連絡しました。
そしたら札幌の調査士事情を考慮すると難しい、会社ごと譲ってみたらどうですか、っていうアドバイスを土屋さんからしてもらったんですよ。
人を紹介してっていう相談をしたのに、人によっては怒ると思いますが、なぜか自然にその言葉を受け入れることができたんです。自分の中でも後継者を見つけるということが難しいっていうイメージが本当はできていたからかもしれません。その後東京に行く機会があったときにLJBに挨拶に行って、候補の事務所をいくつか紹介してもらいました。
その中で土屋さんから特別に推された事務所があったんですよね。それがライズアクロス!
今度ぜひ会ってみませんかって言われたけど、今日じゃダメなのって僕の方から聞いてみました。
高橋 :
土曜日土屋さんから連絡来たから、とてもいい話か悪い話かどっちかだろうなってドキッとしてたんです。
フットサルの予定があったので、その後に行きました。
でも、実は緊張してフットサルはやってないんです。ずっと見学していました(笑)。
今回札幌に赴任することになる新實さんと一緒に、すごい話が来たと話しながら加藤先生との会食に向かいました。
加藤 :
どうして手を挙げてくれたか、その時は疑問でした。
うちがもっと小さい事務所だったらわかるんですよ。それなりの大きさだから手に余るのではないかなと。。。組織の規模もそんなに変わらないですし。。。でも今回の話に手を挙げてくれて、とにかくどんな人か会ってみたかったのは覚えています。
高橋 :
最初はむしろ断られると思っていました。もっと大手の事務所がいいのではないか、うちなんか見向きもされないんじゃないかって。
加藤 :
普通はそうですよね。正直、僕が逆の立場ならやらないし良く手を挙げてくれたなと思ったんです。でもそちらがいいっていうなら会ってみたい!と。
逆に、もし高橋先生の言うように超大手と組んだら、共生が共生ではなくなってしまうかもしれない…その点で、ライズアクロスはこれまでの共生のカラーを残しつつうまくやってくれるかもしれないと感じさせてくれました。
実際に会ったら謙虚な中にも、イケイケな雰囲気もあり、人としての魅力を感じたのを覚えています。もともと若い勢いのある人に引き継いでほしいっていうイメージがあったから、直感的に話が進んだら面白いなって感じていました。
高橋 :
うち以外のどこかが承継するとしたら共生の名前消えてしまうだろうなとは思いました。僕としてはあくまで経営統合というイメージで、対等合併です。
加藤 :
あと土屋さんになぜライズアクロスと引き合わせてくれたか聞いたら、従業員を大切にする文化があるということが第一の理由とのことでした。そして若くして、うちと同じ規模感の組織を作り上げている高橋先生のような人と一緒に発展していきたいと感じました。
士業はこれから激動の時代を迎えることになる。。。そういった時代を生き抜く為に、勢いのある経営者に引き継いでもらいたいと思ったんです。自分以上の可能性を秘めている経営者と一緒になる方が合理的でもあると感じました。
高橋 :
札幌と東京という地理的な問題はあったとしても、調査士と司法書士の相性は考えれば考えるほど良いですよね。東日本でナンバーワンになるという目標のためにも、事業承継はかねてから考えていた選択肢ではありました。
それぞれの想い
高橋 :
てっきり承継が決まってから、うちに赴任する調査士のリクルートをするのかと思っていたんです。東京の調査士部門の代表をしている新實先生が来てくれるって話に最初からなっていたから、驚いて(笑)
加藤 :
新實さんは僕が言わずとも即決でしたね?
新實 :
まったく迷いませんでした(笑)最初の会食の時点でもう決めていて、圭さんと5分くらい話して行きますかっていう感じでした。すごい話が来たなって思っていました。
東京の案件は私の後に入ってくる人に任せればいいだけですからね。